新傾向問題>合格トピックス>学科試験の総評(1級)

平成27年度一級建築士実地試験の総評
全般的に出題形式や出題数は、近年のパターンを踏襲しており、全体の難易度も例年並みであったと考えられることから、過去の出題例を参考に適切な準備をされた受講生には比較的解答しやすかったと思われます。また、問題3の「躯体工事」と問題4の「仕上工事」の設問は、前年と出題形式が入れ替わるという1年おきのパターン通りの出題でした。

【問題1 施工経験記述】

本年の出題テーマは「環境管理:建設副産物対策」でした。近年では、平成21年、24年にも出題されていますが、今回の出題の特徴は、これまでと比較して、解答する内容と事例数が指定され、解答が限定されたことでしょう。
具体的には、設問1では「発生抑制」が2例、「再生利用」が1例、設問2では「適正処分」を2例というように、各々、解答する内容が絞り込まれました。
出題テーマが「環境管理:建設副産物対策」であったことから、「工事経験の多さ」や「専門知識の深さ」のみならず、一般的な広範な知識により「産業廃棄物の適正処分」という観点に置き換えた解答を、柔軟に組み立てられる記述力を養成させることが重要であると考えられます。

【問題2 施工計画】

本年の出題については、「仮設物の設置計画」であり、内容は、建築工事における一般的な仮設物の設置計画の作成についての設問で、過去の出題傾向を把握し、しっかりとした理解力が必要な問題でした。

【問題3 躯体工事】

本年の「躯体工事」については、これまでの出題形式に沿った留意事項記述(4題)の出題でした。やや専門的な詳細についての正確な知識を求められる部分もあり、難易度は少し高かったと思われます。

【問題4 仕上工事】

本年の「仕上工事」についても、これまでの出題形式に沿った正誤訂正問題(8題)の出題でした。 比較的難しい設問も含まれていましたが、基本的な知識で解答できる問題を着実におさえれば、合格ラインにつながる得点が得られたことと考えられます。

【問題5 施工管理】

本年の「工程管理」についても、例年通りのバーチャート工程表からの出題でした。各設問も定型のパターンで、難易度も例年並みであったと思われます。

【問題6 法規】

本年の「法規」についても、例年通りの建設業法、建築基準法施行令、労働安全衛生法の3つの関係法令からの穴埋め式問題でしたが、設問の難易度としては、やや高かったと考えられます。
以上、このような傾向において、今後の対策としては、従来同様に記述問題に対して本試験前に予測される設問に対する解答を準備することはもとより、これまで以上に受験者個人の経験にそって解答の題材を選び、しっかり内容を消化した上で、客観的かつ明解に記述する力を養っていくことが有用といえます。

1級建築施工管理技士講座

Copyright(C) 2005 一般社団法人全日本建築士会. All rights reserved.