全般的に出題形式や出題数は、近年のパターンを踏襲しており、難易度も例年並みであったことから、過去の出題例を参考に適切な準備をされた受講生には比較的解答しやすかったと思われます。問題3の「躯体工事」と問題4の「仕上工事」の設問は、前年と出題形式が入れ替わるという1年おきのパターン通りで、他の問題についても近年の出題形式に沿っていました。
【問題1 施工経験記述】
施工経験記述は、3年サイクルの通り「品質管理」についての出題で、これまでの設問は過去の出題から予測可能であったと思われますが、記述内容が細かく指定されたことから、品質管理に対するしっかりとした知識を要する出題と考えられます。
【問題2 施工計画】
災害についての出題も近年の3年サイクル通りであり、「墜落災害」、「崩壊・倒壊災害」、「重機関連災害」はいずれも過去に出題のあった項目でした。項目の絞り込みが適切になされた受験者にとっては、重点的に準備できたと思われますが、設問の「ただし書き」に除外事項が示されており、一般的なオールマイティーな解答を準備する安易な対策だけでは難しくなってきています。
【問題3 躯体工事】
「躯体工事」については、これまでの出題形式に沿った8題の正誤訂正問題であり、比較的解きやすい内容であったと思われます。
【問題4 仕上工事】
「仕上工事」についても、例年通りの出題形式に沿って、4題についての留意事項記述でしたが、具体例を2つ求められており、学科試験の対策時からのしっかりと学習が必要となる出題であったと思われます。
【問題5 施工管理】
「工程管理」についても、例年通りのバーチャート工程表からの出題でした。各設問も定型のパターンで、難易度も例年並みであったと思われます。
【問題6 法規】
法規の問題も、建設業法、建築基準法施行令、労働安全衛生法の3つの関係法令からの穴埋め問題となりましたが、設問の難易度としては、例年と同程度であったと考えられます。
以上、総体的にみて出題のパターンや設問の内容は例年通りであると思われます。
採点にあたっては、「実地試験」の主旨に沿ってより厳しく、技術者としての考え方や姿勢を解答に反映する能力を判定されるものと予測されます。
このような傾向において、今後の対策としては、従来同様に記述問題に対して本試験前に予測される設問に対する解答を準備することはもとより、これまで以上に受験者個人の経験にそって解答の題材を選び、しっかり内容を消化した上で、客観的かつ明解に記述する力を養っていくことが有用といえます。
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