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2022年度2級建築士二次検定試験の総評
令和5年11月12日(日)、2級建築施工管理技士 第二次検定が実施されました。 下記に「各問ごとの講評」と「総評」を記載致します。

【問題1 経験記述】

3年ぶりに「工程管理」についての記述が求められましたが、このテーマの出題を予想されて準備を進めた方も多かったのではないかと思います。

問1の出題内容は、令和2年に出題された内容とほぼ同じでありましたので、過去問を中心に準備された方は、組し易かったのではないかと思います。又、当会の模擬試験におきましても、ほぼ同じ内容の出題をしていました。

問2におきましては、「関係者に作業工程を周知や共有するための有効な方法や手段」と、「周知や共有が不十分な場合に起こる工程への影響」についての記述が求められました。前者の出題形式は平成25年に出題されて以来のものであり、後者については、初めての形式でした。「有効な作業工程の立案」についての記述をするのではなく、「決定済みの作業工程を確実に関係者に周知するのに有効な手段」を記述しなければならない点に注意が必要です。問題文の正確な読み取りが不可欠となります。

どちらかというと、問1よりも問2の方が、記述する文章を組み立てにくかったのではないかと思われます。ただ、何よりも大切なのは、問題文で尋ねられていることに対して、きちんと答えている文章になっているかということです。

この点は経験記述の全てのテーマについて共通なことですが、この点を日頃から意識して記述練習をしておくと、本試験でも落ち着いて回答文を編み上げられるかと思います。記述する内容が整理できたら、その内容を盛り込み、読み手(採点官)に充分に意図が通ずる文章を記述することができるか否かがポイントとなります。

【問題2 用語説明・施工上の留意点】

14の用語の内、5つを選択する形式は従来通りでした。平成16年以降の出題履歴を振り返りますと、「e:コンクリートのレイタンス」と「h:隅肉溶接」が初出題でしたが、一次検定対策として学習した際の躯体工事の知識があれば対応できたものと思われます。その他の選択肢は全て過去問からの出題でした。特に「問題2」については、過去問を繰り返し学習することが最も効果的といえましょう。当会講座におきましても、下記の様に、本試験で出題された選択肢を扱っていました。

模擬試験:「b:親綱」「l:べた基礎」
演習問題:「a:足場の手すり先行工法」「d:グリッパー工法」「j:鉄筋の先組み工法」「n:木造住宅の気密シート」

難易度としては、比較的易しい問題でした。

【問題3 工程管理】

近年の出題傾向と同様に、鉄骨造建物のバーチャート工程表の出題でした。小問の構成が、昨年度(令和4年度)の構成と全く同じでした。令和3年度までの解答数が昨年から若干増えましたが、今後も、昨年と今年と同じ小問構成で出題されるものと思われます。

注意しなければならないのは、各問の回答が後続の問の回答に連動しているため、最初の問に正しく答えないと、後続の問の正答を得られなくなるという点です。与えられた資料を正確に読み取る力が試されます。難易度としては、正確な読み取り力があれば、標準的な問題でした。

【問題4 法規(四肢一択)】

建設業法、建築基準法、労働安全衛生法から各1問づつ出題れました。

・建設業法 第24条の4 → R3年と全く同じ問題でした。形式は異なりますが、H30年にも同じ条文が出題されていました。

・建築基準法施行令 第136条の7 → 初出題でした。過去においては、令第136条の2、令第136条の3からの出題が殆どであったため、戸惑われた方も多かったかもしれません。

・労働安全衛生法 第25条の2 → こちらも初出題でした。建築基準法施行令の出題と同様、戸惑われた方も多かったかもしれません。

3問中2問が初出題となり、難しい問題でありました。初出題となった条文は、いずれも、安全・避難に関するものでしたので、今後は、過去問に加え、安全に関する条文に留意して学習するのが効果的かと思われます。

【問題5 躯体施工・仕上施工(四肢一択)】

5-A、5-B、5-Cのいずれも、正確な数値を把握していることが必要とされる設問が含まれ、やや難しい傾向となりました。受験種別ごとの設問であることから、やや細かな専門知識が問われる傾向が読み取れます。一次検定対策の学習の際に、二次検定を意識して知識の集積に努めることが必要となりましょう。

【総評】

問題1 : 標準的
問題2 : 易しい
問題3 : 標準的
問題4と5 : 難しい

上記のような傾向となり、全体としては「やや難」であったと思われます。

2級建築施工管理技士講座

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