新傾向問題>合格トピックス>学科・実地試験の総評(2級)

平成30年度二級建築士学科・実地試験の総評

平成30年度後期試験の総評

平成30年度の後期試験の出題形式は、学科試験では前期に引き続き専門分野の区別なく共通でしたが、実地試験では語句の正誤訂正問題が、建築・躯体・仕上げの分野別の出題となりました。

 学科試験では徐々に専門性の高い選択肢が加わってきたものの、実地試験での分野別の出題などは、むしろ解答しやすかった受験者も少なからずおられ、他にも大きく想定を外す設問がなく、未だ基礎知識で正解が得られる設問も多いことから、基本をしっかり学ばれた方は、十分合格ラインをキープできたのではないでしょうか。

午前の部:学科試験

学科試験は昨年度の後期試験までは、建築・躯体・仕上げの分野別で問題を選択するようになっていましたが、今年度は分野の区別のない共通問題で、出題数・選択解答数などは昨年と同じでした。No.12のタイルに関する問題やNo.15の舗装の問題などでは、新しい記述や専門性の高い事項も見られますが、問題の選択や基本事項の正しい理解などにより、習得した知識の中から適切に解答する問題を選び、選択肢の中から正解を見つけ出すことは、必ずしも難しいことではないでしょう。

 法規の問題はやや難しかったことから、全体として難易度は高く感じられたかもしれませんが、これまで通りに過去問攻略を基本対策としながら、正確な記憶を心掛け、応用力を生かせたかどうかが、合否を分けたのではないでしょうか。

午後の部:実地試験

実地試験の出題数は例年と同じでしたが、問題4が「法規」の問題となり、問題5が「語句の正誤訂正」の問題となって建築・躯体・仕上げの分野別の出題に変わりました。

問題1と2はほぼ想定できる範囲の設問であり、問題3は昨年と同じ「バーチャート工程表」からの出題であったので、十分対応できたものと思われます。

問題4の法規は、近年にみられない新規の問題であったことから実地試験の過去問だけでの対策では難しく、問題5の語句の正誤訂正の設問は、2級としてはやや専門的な内容も含まれており、全体としての難易度は少し高かったかもしれません。

今年度は出題に大きな番狂わせがなかったものの、少しずつ新傾向を取り込む傾向がうかがわれます。基本知識の正しい理解と消化、そして本試験で十分に生かし切る応用力を養うことが、受験対策ではより重要になりましょう。

1級建築施工管理技士講座

Copyright(C) 2005 一般社団法人全日本建築士会. All rights reserved.