41 改修工事②
【No.1】各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 防火認定が必要な壁紙の張替え工事において、コンクリート下地に強く張り付いた既存の壁紙の裏打ち紙を残し、新規の壁紙を張り付けた。
- タイル張り仕上げ外壁のひび割れ部の改修工事において、タイル張り仕上げの撤去に当たり、ひび割れ周辺をタイル目地に沿ってダイヤモンドカッターで切り込みを入れ、ひび割れ部と健全部との縁を切った。
- アルミニウム製建具の改修工事において、新規建具と鉄筋コンクリート躯体の取合いのシーリングは、目地深さが所定の寸法であり、被着体の挙動が少ないことが確認できたので、ボンドブレーカーを省略し三面接着とした。
- 下地がモルタル塗りである塗床の改修工事において、既存の合成樹脂塗床材の除去は、電動ケレン棒を使用し、当該塗床剤をモルタルとともに一体で撤去した。
【解説】
1.建築改修工事監理指針6.14.3より 壁紙の張替えは、既存の壁紙を残さず撤去し、下地基材面を露出させてから新規の壁紙を張り付けなければ防火材料に認定されない。よって既存の壁紙の裏打ち紙は完全に撤去する必要がある。
正解 1
【No.2】天井の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 既存建築物の特定天井に該当する既存の天井を耐震化する必要があったが、天井下地の補強が困難であったため、既存の天井が破損しても落下しないようにネット張りにてその対策を行った。
- 柱補強工事の連続繊維補強工法において、連続繊維シートの貼付けは、貼り付けた連続繊維シートの上面に、下塗りの含浸接着樹脂がにじみ出るのを確認してから、上塗りの含浸接着樹脂をローラーで塗布した。
- 仕様ルートの適用による検証を行った特定天井においては、天井面構成部材と壁及び柱との隙間を6cm以上とした。
- 音楽堂のホワイエに新設する天井について、床からの高さが8mでその水平投影面積が400m²、天井(天井面構成部材等)の単位面積質量が10kg/m²であったが、ホワイエが避難階にあり非常口が隣接するための緩和措置を適用し、特定天井としなかった。
【解説】
4.特定天井とは、吊天井で人が日常立ち入る場所に設けられていて高さが6mを超える天井の部分で、その水平投影面積が200m²を超えるものを含み、天井面構成部材の質量が2kg/m²を超えるものをいう。新築建築物の特定天井では、緩和措置はない。よって特定天井としなければならない。
正解 4
前回に引き続き「改修工事」の問題です。No.1のように一般的な部位についての留意事項のほか、No.2にみられるように、耐震性能の向上や、用途としてやや特殊な性質をもつ部位など、改修工事の対象としてとりあげられそうな対象に関する設問も考えられます。
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