15 地業工事
【No.1】杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの主筋間隔を10cm以下とすると、コンクリートの充填性が悪くなるので、主筋を2本束ねて配置し、適切な主筋間隔を確保した。
- 既製コンクリート杭の中堀り工法において、杭先端に円筒状のフリクションカッターを装着して、杭外周面と地盤との摩擦力を大きくした。
- 場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込みに際し、杭頭部に余盛りを行い、コンクリートが硬化した後、余盛り部分を斫り取った。
- 場所打ちコンクリート杭において、コンクリート上面の打上がり高さを、コンクリートの運搬車の打終わりごとに、また、ケーシング及びトレミー管の引抜き時に測定した。
【解説】
2.杭長が長くなると、杭外周面と地盤との摩擦が大きくなり、杭の埋込みが不可能となることがあるので、摩擦力を軽減するためにフリクションカッターを装着する。
正解 2
【No.2】地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 場所打ちコンクリート杭工事において、特記がなかったので、最初に施工する本杭を試験杭とし、その杭の位置は、地盤や土質試験の結果から全杭を代表すると判断される位置とした。
- 打込み工法による作業地盤面以下への既製コンクリート杭の打込みにおいて、やっとこを用いて行った。
- 場所打ちコンクリート杭工事において、安定液に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310kg/m³とした。
- 液状化のおそれのある地盤の改良方法として、土中に締め固められた砂杭を形成するサンドコンパクションパイル工法を採用した。
【解説】
3.JASS5.24.5dより 清水あるいは泥水中にコンクリートを打ち込む場合は、安定液が打込みコンクリートに混入して圧縮強度が低下することを考慮して、単位セメント量は330kg/m³以上とする。空気中で打込む場合は270kg/m³以上とする。
正解 3
「地業(じぎょう)」とは、建造物を安全に支えるため,あるいは構築上の必要から地盤に施される基礎工事部分の総称で「ちぎょう」ともいいます。直下の地盤が堅固で直接建造物を支えることができる場合には、地盤面を極力平らにした後、割りぐり石などを並べて締め固める「割りぐり地業」や直接厚く捨てコンクリートだけを打つこともありますが、支持地盤が基礎底面から離れている場合には、杭を設けることになります。
直接基礎の下の地業に関する事項はある程度限られますが、「杭地業」については建物に応じた基礎の規模、地盤や騒音・振動など周囲の施工環境、あるいは重機等の機材の利用などにより様々な杭の種類と施工方法があります。それぞれに専門的で膨大な知識を要しますので、限られた時間での受験対策としては、すべてについて詳細を学ぶことは困難です。杭全般に関する基礎知識の概要をつかんだ上で、過去問を中心に各枝問についての解説を読むことなどで、類似した出題への対応や応用力を養うことが必要です。
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