12 仮設工事②
【No.1】仮設工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高さ40mの枠組足場の強度計算において、鉛直方向の荷重である足場の自重と積載荷重は建枠で支持し、水平方向の風荷重は壁つなぎで支持しているものとみなして部材の強度を検討させた。
- 移動式クレーンによる荷の吊り上げ作業において、10分間の平均風速が10m/s以上となることが予想されたので、作業を中止し、当該クレーンの転倒防止を図った。
- 単管パイプを用いて床面開口部の周囲に設ける仮設の手摺については、高さを1.2mとし、物体落下防止として高さ10cmの幅木を設け、墜落防止として床から65cmの位置に中桟1本を取り付けた。
- 工事現場の周囲へ高さ3.0mの仮囲いの設置に当たり、現場ゲートや通用口は通行人の交通の妨げにならない位置とし、交通誘導員の配置をさせる等、安全に配慮するよう助言した。
【解説】
3.労働安全衛生規則第563条より 単管パイプからの墜落防止措置として、高さ85cm以上の手すり、高さ10cm以上の幅木、及び高さ35~50cmの位置に中桟を設ける。
正解 3
【No.2】墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 建物四隅の基準墨の交点を上階に移す場合、間違いや誤差を避けるために4点とも下げ振りで移す。
- 仕上げ部材を取り付けるための墨は、近接する既に出された他の部材の仕上げ墨を基準として墨出しを行う。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造では、一般に鉄骨柱を利用して躯体工事用の基準高さを表示し、これによりレベルの墨出しを行う。
- 床面の通り心などの基準墨は、一般に1m離れた位置に返り墨を設ける。
【解説】
2.仕上げ部材を取り付けるための墨は、基準墨を基準に墨出しを行う。
正解 2
前回に引き続き「仮設工事」の問題です。現場ではいろいろな用途の仮設があり、状況に応じて様々な種類のものが利用されます。No.1は「足場の仕様」、「揚重機の使用」、「足場の安全対策」、「仮設の配置」などについての複合問題です。それぞれ数値をともなうものもありますが、「墜落防止策」などのように頻出されているものも少なくないので、そのようなものを過去問の中からしっかり押さえておくことにより、確実に正解枝を見つけることができるでしょう。
No.2はかなり実務的な事項からの出題です。「墨出し」を行ったことのない方には、用語の意味など馴染みが薄いこともあるかもしれませんが、出題されるのは一般的な基本事項が多いので、作業の概要を正しく理解しておくことが必要です。
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