11 仮設工事①
【No.1】仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋コンクリート造2階建の建築物の新築工事に当たって、工事現場の周囲には、危害防止のために、地盤面からの高さ1.8mの仮囲いを設けた。
- 吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く。)において、作業床の最大積載荷重を定めるに当たり、吊り鎖及び吊りフックの安全係数を5以上とした。
- 防護柵(朝顔)は、地上から5mの位置に1段目を設け、1段目から9m上部の位置に2段目を設けた。
- 枠組足場(妻面に係る部分を除く。)からの墜落防止措置として、風荷重を受けるシート類は設けず、交差筋かい及び高さ10cmの幅木を設けた。
【解説】
4.労働安全衛生規則第563条より 枠組足場からの墜落防止措置として、交さ筋交及び高さ15cm以上40cm以下の桟若しくは高さ15cm以上の幅木を設ける。
正解 4
【No.2】仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 工事用の資機材を搬出入するために設ける床の仮設用の開口について、構造的な補強方法や工事完了後の復旧方法等を確認するために仮設工事計画書を作成させた。
- 建築物の高さと位置の基準となるベンチマークについては、工事中に移動のおそれのない新設したコンクリート杭及び前面道路の2箇所に設け、相互に確認できる位置にあることを確認した。
- 遣方の検査において使用する鋼製巻尺については、テープ合わせを省略できるよう、検査用に購入した新品の日本工業規格(JIS)1級のものを使用させた。
- 工事現場の周囲へ高さ3.0mの仮囲いの設置に当たり、現場ゲートや通用口は通行人の交通の妨げにならない位置とし、交通誘導員の配置をさせる等、安全に配慮するよう助言した。
【解説】
3.JASS2.3.6.aより 工事着手時に、基準鋼製巻尺(通常JIS1級の鋼製巻尺を使用する)1本を定め、監理者の承認を受け、テープ合わせを行い、使用にあたっては同一の使用条件を保つことが重要である。従ってテープ合わせは省略出来ない。
正解 3
仮設工事にあたっては、作業が安全に効率よく行えるように、工事内容と敷地内と周囲の状況および作業の進捗に応じた変化を考慮して、合理的な計画を行う必要があります。また、安全に関しては、作業者のみならず第三者に対する安全確保も重要事項です。
No.1は主に安全の確保に関する仮設計画からの問題ですが、これらについてはやや詳細な事項も出題されます。仮設の種類に応じて、数値をともなう基準を正確に押さえておきましょう。
No.2では工事の準備に関する事項が見られますが、枝問の2.や3.などでは迷われることもあるかと思います。2.については、「1ヵ所に限って運用上の混乱を避ける」という考え方もありますが、とかく状況が変化しがちな工事現場においては、工事の進捗に応じた移設や思わぬ事故によって破損が生ずることなどを考慮して、2箇所以上設けることとなっています。よく出題されますので覚えておきましょう。
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